再現性を追求した世界トップクラスのオープンテストサイト
当オープンサイトを立ち上げる際、東京から1時間程度、高速道路から15分圏内の立地で、最も外来の電波が少ない場所を1年間かけて探し抜きました。携帯電話はもちろんのこと、FM放送・テレビ放送なども受信できない最高の電波環境です。
もちろん構内の電柱は一切排除し、送電線は地下に埋めて、人工的なノイズも完全に遮断しました。
弊社のスペクトラムアナライザでの測定は、ビデオバンドを30kHzに設定しており、レシーバーでの受信強度とスペクトラムアナライザでの受信強度がほとんど同じです。これは通常のオープンサイトでは画期的なことで、狭帯域のクロックノイズはもちろんのこと、電源などから出てくる広帯域ノイズも取り逃がししません。
当サイトの環境なら80MHzや96MHz 、108MHzなどの放送波で隠れがちなクロックノイズや、800MHzの携帯電話帯にあるノイズも的確に測定することが可能です。
規格書にはオープンサイトのグランドプレーンは理論上「無限の広さ」を求めています。しかし、通常のオープンサイトは最低限の広さしかないのが現実です。そこで、芦川試験所は贅沢に土地を利用、34m×27.5mという広大なグランドプレーンを作ることによって、データの正確性を追求しました。
グランドプレーンと大地面との接触も可能な限り同電位となるように、幅広く接地し、データの安定性を重視いたしました。
オープンサイト内でEUTから放射される電磁波ノイズが、オープンサイト近辺の構築物(建物や木々など)に反射しないように近辺の土地に大規模な土木作業を実施しました。
それぞれのオープンサイト同士が電磁干渉しあわないように、大規模な造成によって、3つのサイトの立地面に30度のバンクと最大15.5メートルの段差を設けており、他のサイトからの影響を極力排除しています。
グランドプレーンの厚さは国内ではもっとも厚い12mmです。現在まで1度も手直しの必要がなく、サイトアッテネーションは設立以来ほぼ同一です。したがって13年前に測定したデータをそのまま再現できます。
オープンサイト内のアンテナマストも、もちろん特注品で、アンテナマストに金属物は一切ありません。
弊社の実験によると、アンテナとEUT間に雨がたまると、周波数によっては±6dBの誤差が生じます。そこで、芦川試験所では、測定距離10mのすべてをFRP製のドームで囲うことによって、天候によるデータのブレを防ぐことが可能となりました。測定中に天気が変わっても、正確なデータを測定することができます。
グランドプレーンとアンテナ間にドームがないと、夏場の暑い時期にグランドプレーンがかなりの高熱となります。この結果、その下を通っているケーブルが熱せられ、取得するデータに影響する恐れがあります。芦川試験所は大型ドームですので測定系ケーブルが熱による影響を受けません。
ドーム内は空調を完備しており、夏は涼しく、冬は暖かく快適な環境ですので、悩まされがちなノイズ対策に専念できます。
EUTの設置場所と測定室が近距離にあるため、度重なる対策時にも便利です。
ターンテーブル下に広いスペース(約30畳程度)があり、どんなに大きなホスト機器などの測定対象外機器でも容易に設置可能です。
大型トラック(4トン車)がシェルター入口まで横付けできます。小型機器は1階からリフターで昇降もできます(1号・2号)。
サイトとサイトの間が非常に離れており、隣のサイトから貴社製品を見学できません。
フルドームのため、測定対象物は搬入時ですらほとんど見ることが不可能です。
ノイズ対策でお困りの方には経験豊かなエンジニアが卓越したソリューションをご提供します。
電波のプロである第一級陸上無線技士2名が電波経路をコンサルティングしています。
iNARTE有資格者が測定を担当します。
弊社のオープンサイトは欧米のみならず韓国・台湾・シンガポールなどのアジア諸国からの見学も多く、韓国政府系のEMC電波研究所では、当社のオープンサイトをモデルにしているところもあります。
もちろん、日本を代表するITメーカー様からも絶大な信頼を寄せられており、数多くのメーカー所有電波暗室のデータ標準サイトとしてご利用いただいています。
非常に大型の装置に対する実績は数百件あり、当然大型装置専用の試験装置や試験治具も完備しています。
CISPR 11 (雑音端子電圧測定用LISN) 200A
エアーコンプレッサーや水道設備も完備しています。
貴社製品の純粋な実力を知るためには、ノイズが非常に少ない周辺機器が必要となります。弊社では、絶えず低ノイズの周辺機器を調査し、最新の機能を持ったものを取り揃えるように心がけております。
ほとんどすべての対策部品メーカー様とお付き合いさせて頂いており、最新の対策部品を数多く取り揃えています。
窒素ガス、ヘリウムガス、その他特殊なガスの供給も可能です。
試験員の経験に左右されがちな測定時間。もちろん、日夜努力をして測定技術に磨きをかけることは重要ですが、弊社では可能な限り測定手順の自動化への取り組みや、測定作業効率の検討によって、1分でも試験時間を短縮することを考え続けております。そのために、測定ソフトウェアの見直しはもちろん、試験治具類の完備や、工具やケーブル類の管理方法にも目を向けています。